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保育の質を上げるICTとは? 業務効率化との違い
保育のICTというと、登降園管理や指導計画の作成など「業務を軽くする」話が中心です。それとは別に、子どもの体験そのものに関わる使い方があります。混ぜて考えると、判断を誤ります。
2種類のICTを分けて考える
園で使うICTは、目的で大きく2つに分かれます。
| 業務系 | 保育・体験系 | |
|---|---|---|
| 目的 | 職員の負担を減らす | 子どもの体験を広げる |
| 例 | 登降園管理、指導計画、connect、写真販売 | 図鑑・地図・科学系アプリ、記録の共有 |
| 効果の測り方 | 作業時間の削減 | 子どもの反応、話題の広がり |
| 導入判断 | 費用対効果が計算しやすい | 数字にしにくい |
混乱が起きるのは、後者を前者の物差しで評価しようとするときです。「これで何分削減できるのか」と聞かれても、体験系のツールは答えられません。目的が違うからです。
体験系のICTを判断する物差し
時間削減で測れないなら、何で測るか。現場で見るべきは次の3つです。
- 子どもが自分から触るか:職員が促さないと始まらないものは、続きません
- 話題が広がるか:使った後に「あれ何だった?」という会話が生まれるか。画面の中で完結するものは、体験として弱い
- 保育の他の活動につながるか:見た内容が制作や絵本、園庭での気づきにつながるか
逆に、こうした広がりがなく、静かにさせるためだけに使われているなら、その導入は目的を果たしていません。
「静かにさせる道具」にしないために
忙しい日には、どうしても静かにさせる目的で使いたくなります。それ自体が悪いわけではありませんが、それだけになると、職員も保護者も納得しにくくなります。
防ぐには、次のような運用が有効です。
- 一人で見せない:数人で見て、話しながら使う
- 職員が一言添える:「これ、地球より大きいんだって」の一言があるだけで、活動になります
- 使った内容を記録する:何にふれたかを残しておくと、保護者への報告にも使えます
質の向上は「子どもが説明したくなるか」で見える
学びが定着しているかは、テストではなく子どもが誰かに説明したがるかで見えます。「先生、火星ってね」と話しかけてくる状態になっていれば、その体験は身についています。
園でふれたことを家庭で話す、家庭で見たことを園で話す。この往復が生まれると、体験系のICTは本来の効果を発揮します。導入を検討するときは、その往復が起きそうな内容かを見てみてください。子どもが受け身で見るだけのものより、自分で選んで進めるものの方が、この往復が生まれやすい傾向があります。
職員の負担を増やさないことも条件
どれだけ良い内容でも、準備や片づけに手間がかかるものは続きません。インストール不要で、開くだけで使えること、職員が事前に設定しなくてよいことは、体験系ICTでは実は重要な要件です。「良いけれど面倒」は、現場では使われないのと同じです。
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